2012.03.08 Thursday
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小話です。
滅多に更新いたしませんが、
ごく稀に連続して更新されます。
基本的に暗い話ばかりです。
続きを読むをクリックしていただくと、
あとがき、というほどのものではないですが、が表示されます。
だらだら書かないことは、潔いことなんでしょうかね?
あとがきが短いためか、昔の小話は私が読んでも意味がわかりません。
2012.03.08 Thursday
汗で湿った髪に指を差し込むと、すりよってきて満足げな笑みを浮かべた。
外ではどうだか知らないが、俺の横にいる彼は安心しきっているようだ。
ぐっすりと、爪を折られたように眠っている。
ふと思い立って、殺気を放ってみる。
長らく実戦の場から離れていた俺だ。
放つ殺気は鈍磨している。
しかし、殺気は殺気。
彼は気づかなければならなかった。
だが、気づかない。
俺はちょうどいいと思い、殺気を研ぎ始めた。
キリキリと磨き、光らせる。
黒光りした刃が彼を狙う。
そう、この感じ。
戦いの場の空気を思い出せ。
どんどん、どんどん殺気を磨く。
太く冷たく実体化するように、濃く。
それでも彼は気づかない。
俺はいよいよ自分の放つ殺気に酔い始めた。
ああ、きもちいい。
俺の殺気と目覚めない彼。
なんと居心地の良い空間。
気の遠くなるような思いの中で、黒い影が彼を襲う幻影を見た。